[ Steem report Vol.4 ] インフレ通貨としてのSteemの価格維持設計について
Steemでよく問題視されるのがインフレ通貨しての側面。
法定通貨で「インフレ」と聞くと
「世の中に出まわっているお金の流通量が多くなると、お金の価値が下がる」
ということを指し、このSteemでも同様に
『発行上限がなく日々供給される通貨である為、価値が下落し続けるのではないか』
ということがよく問題視されます。
もしも自分のコンテンツ投稿やキュレーション活動によって取得した報酬の価値が、日に日に下がっていくようなことが起きたら不安ですよね?
では、本当にそうなことが起きているのでしょうか?
CoinMarketcapでこれまでのSteemの価格推移を見てみると
※https://coinmarketcap.com/ja/currencies/steem/
多少の上下はあるものの大きな下落はなくその価格を維持しているのがわかりますね。
ホワイトペーパーを見るとこんな一文が載っています。
※https://steem.io/steem-whitepaper.pdf
この一文では、アメリカの金融政策としてリーマンショック後の2009年10月~2010年1月まで通貨供給量は既存の発行量の100%、要するに総発行量が2倍になるまで供給し、2010年1月以降6年にわたり年20%づづ供給をしていったが、ドル価格の下落は10%にとどまっていた。という事実について言及しています。つまり、通貨供給量は価格の一因にすぎないということです。
ではSteemはインフレ通貨としての側面と、どのようにして向き合っているのか簡単なスライドを交えながら解説していきたいと思います。
まずはじめに結論からお伝えしますと
Steem経済圏内でトークンが留まるエコシステムが機能しているから
ということです。
そもそも通貨の価値が下がる理由としては通貨供給量に比較して
- 買い需要が減少している or
- 売り需要が増加している
があげられます。
要するにSteemのトークンが市場で売られ過ぎなければいいわけです。
ではどのようにSteemが売られないような設計がされているのでしょうか?
大きく下記の3点に集約されます。
- 新規発行トークンの70%以上がSPとして配分される
- 配分されたSPを売却するまでには時間がかる
- SPを長期保有するインセンティブがある
それでは一つ一つ見ていきましょう。
- 新規発行トークンの70%以上がSPとして配分される
まず前回お見せした報酬配分の全体図がこちら。
このうち、SPとしての報酬配分のみを見てみると
では報酬全体の中でSBDとSPの割合を比較して見ると
このように実際の報酬配分の内訳のうち、SPとして支払われる割合はなんと70%以上となっているのがわかりますね。
これはどういうことを意味するのか?
次の項目を見て行きたいと思います。
- 配分されたSPを売却するまでには時間がかる
SPからSTEEMへ変換する際の流れがこちら
注目して頂きたいのは、SPから取引所での売買が可能な流動資産であるSTEEMへ変換するまでには、およそ3ヶ月の期間を要すと言う点。
これにより必然的に新規発行される通貨の70%以上は長期保有化される仕組みとなっています。
では、このような流動性の低い資産であるSPを持つことで参加者としてのメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
- SPを長期保有するインセンティブがある
SPを保有することで得られるメリットは下記2点があげられます。
(1)SP残高に対して利息がもらえる
先ほどお見せした報酬の全体像で見て分かるとおり、報酬プールから配分される報酬のうち15%がSP保有者へ利息として支払われます。法定通貨で言うところの定期預金のようなイメージですかね。これにより、コンテンツ投稿やキュレーション活動をしなくとも、SPを保有していることで、日々一定の報酬が得られることとなります。
(2)Steem内での影響力が増す
Steemの報酬の源泉は毎日発行される新規トークンになります。その発行されたトークンをどのコンテンツに、どのくらい配分するかをSP保有者が投票(いいね(vote))によって決定しています。
そしてその投票権は1Steemにつき1投票という設計に基いています。
つまり、報酬プールからどのようにトークンを配分するかは保有するSPの量に比例する形となり、SP保有量が多い方の投票(いいね(vote))があったコンテンツには報酬配分多くなり、そのコンテンツの投稿者とキュレーターには多くの報酬が配分される設計となっています。
これにより、SPをたくさん保有しててSteem内での影響力を増したいという参加者が増えるような流れとなっています。
事実、
・2017年9月時点で2億5600万STEEMが発行され
・そのうち、1億8300万STEEMがSPとして存在しています
つまり、Steem経済圏全体で見ても、これまでの通貨総供給量のうち70%がSPとして保有されていることになります。
このように、インフレ通貨としてのSteemの価格維持設計を見ていくと
- そもそも受け取る報酬のほとんどがすぐに売却することができず
- その受け取った報酬を長期保有することで得られるインセンティブが導入され
Steem経済圏内でトークンが留まるエコシステムが機能しているということが分かりますね。
次回は、
- Steem におけるDposの仕組みについて
について解説していきたいと思います。
□ INDEX
[ Steem report Vol.1 ] STEEM / Steemit / Steem 意外と知らない3つの違いって?
[ Steem report Vol.2 ] 意外と知らない Steem Blockchain の仕組みについて
[ Steem report Vol.3 ] Steem の報酬設計とコミュニティに与える影響ついて
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